カレンは、ティムを助けるために聞き込みをした。

しかし、国王陛下がティムと二人で食事をすると徴税長官に話しているのを見た人は居なかった。

「どうすればいいのー？？これじゃ、ティム様を助けられないじゃなーい！

ん？？なんだろう？？騒ぎ声が遠くの方から聞こえてくるんだけど……。」

カレンは気になったので、騒いでいるところまで行ってみた。

「だぁーかぁーらぁーー、なんでティム君が捕まっているんじゃ！！！」

「ですから先ほど申し上げた通り、ティム様は国王陛下を毒殺しようとしたとして、捕まっているのです。」

「ティム君がそんなことするはずないじゃろ！」

「しかし、ティム様のズボンのポケットの中から毒物が入った袋が出てきたのですよ。」

「そんなもん、ティム君に罪を擦り付けようと誰かがティム君のズボンのポケットに入れたに違いないわい！！！！」

「なぜ、そこまで言い切れるのですか？」

「そりゃ、わしの可愛い娘がティム君のことを信用しているからじゃよ！！

娘が信用している男だからこそ、わしも信用せんわけにはいかんじゃろ！！」



騒いでいたのは、ティム様のお義父様だった。



「あの、ちょっとよろしいでしょうか？私、ティム様がこちらで儀典官の代理をされる間、ティム様のおそばに仕えるように王太子殿下から指示を受けました、メイドのカレンと申します。

私も、ティム様を信用しています。

ティム様のおそばで仕えていましたが、人を殺せるような人間ではありません。

困っている人を見過ごしにできない、とてもお優しい方でいらっしゃいます。

そして、ご家族を愛していらっしゃる方でございます。そんな方が、親である国王陛下を殺そうとするはずがありません。

どうか、私と一緒にティム様の無実を証明していただくために、協力してくれないでしょうか？」

「ああ、もちろんだとも。一緒にティム君の無実を証明しょう！！よろしくお願いするよ！！」

カレンと儀典官は、握手を交わした。

その瞬間、カレンの頭の中にこんな言葉が聞こえてきた。

(ティム君、君はいい仲間を持ったものじゃ。)

カレンは心の中で、『ティム様、あなたはいいお義父様を持ったものね。』と言った。