肌寒い風が吹く４月の風に
新しい学ランを着て最初の一歩をどうするか悩んでいた
今日から高校生になる五十嵐佑馬15才
どうにか入った高校でどんな生活を送るのかを妄想しながら
登校の歩道を歩いていた
最近の春は桜が散りきるのが常で今年も桜はカラカラだった
佑馬自身毛虫がいなくていいと桜は少しの期待と共に同じくらいのものだった


そんな事を考えていると校舎に着き足を踏み入れる
新しい環境に違和感と新しい気持ちを覚えながら張り出された組分けが書いてある紙を見に行った
4組と書かれた場所に佑馬の名前はあった
どんな人がいるんだろうと思いながら踵を4組に向かわせて歩き出した
いろんな人の想像をしていると
前から眩しい光があった
目をやると佑馬の目はその光に奪われた
ミディアムヘアーの女の子がそこには友達らしき人たちと笑いながら歩いていた
そのまま佑馬の足は止まっており
佑馬の横を通り抜けていくその女の子に目は釘付けになっていた
跳ね上がった心拍数が数秒が風のような白い光と共に過ぎたのは初めての体験だった

フッと我に帰り今のは何だったんだと共にキラキラしていたという思いだけが佑馬には残って
また再び4組に向かって踵を動かした。


今の出来事が気になって
佑馬は新学期の想像と思いが少し後回しになっていた

「おー佑馬ー！」
前から小学生の頃の同級生が手を上げながら歩いてくる
佑馬「おー正人ー！」
席についてる佑馬も手を挙げて返した
正人「佑馬もこの学校だったのかよ」
佑馬「お前もこの学校だったのかよw」
お互い久しぶりの顔を見て安堵した
佑馬「お前一人？誰か一緒のやついる？」
正人「二人いるけど、どっちも女子」
佑馬「なんだ女子かー」
笑いあって話しているとさっきのミディアムヘアの女子がクラスに入ってくる
佑馬が目を奪われていると余鈴がなった
正人「おーじゃあまた」
うぃすと頷いて佑馬は視線だけ彼女を探した

右斜め前にいたのだ
佑馬は止まりそうになる息をゆっくり呼吸した
「はーいそれではそのまま名前順に廊下に並んでー始業式始まりまーす」
そう先生の声が響いた

釘付けの視線を彼女から外し廊下へ出た
五十嵐なんて名前前からなのに俺の斜め前なんてあ行なんじゃないだろうか
なんて思いながら始業式を迎える

お決まりの校長先生の挨拶の後
始業式は終わりを告げた