待ち合わせをしている駅前の広場に着いたら、背の高い二人がすでにいて。スタイルの良いその二人が誰だか、遠目からでもすぐにわかった。
 通りすがる人達も、目立つ彼らをちらちらと見ている。


「おはよう、白坂さん」


 私の好きな人――柏木先輩がいち早く私に気づき、笑顔を向けてくれる。


「おはようございます」


 私服姿の先輩が貴重すぎて、眩しさに目を細める。
 黒のジャケットに白いシャツ。
 カーキ色のパンツを合わせていて、落ち着いた色づかいが似合っていた。

 千尋先輩は柏木先輩のことを、よく待ち合わせに遅れてくると言っていたけれど。今回は誰よりも早く着いていたので、ひとまず安心する。


「今日はいつもと違うね」
「……そうですか?」


 柏木先輩はなぜか、私のことをじっと見つめてくる。
 コーディネートが変だったかな。もしかしてメイクが似合ってない?
 色々と気になって落ち着かなくなってしまう。

 今日は、スカートにも見える淡いピンクのワイドパンツを履き、ドット柄のブラウスの上にクリーム色のニットカーデを羽織ってきた。


「うん、可愛いよ。似合ってる」
「えっ……」