「あんなに白坂が嫌がるとは思わなくて、あとから罪悪感にさいなまれて……」


 真鳥が話している間、未琴は終始唇をかみしめてうつむいていた。


「沢本は、白坂が一見おとなしい感じに見えるから、このことは誰にも話さないと思ったらしく、誰かにばれることを気にしてなかった。だけど俺たちは……周りから悪者扱いされて、嫌われたくなかったから」


 嫌われたくなかったのは、私も一緒だ。

 蓮先輩との関係を妬んだ沢本君は、三井先輩にそそのかされ。真鳥や未琴を使って私を閉じ込めたあと、体に無理やりキスをした。

 男好きだという噂を流されて、一部の女子から無視をされ、否定もできなくて。
 そんな、嫌われている自分と付き合ったら、蓮先輩も変な目で見られる。

 そして、いずれは自分のことも疎ましく思うかもしれない……。
 それが怖くて、先輩からの告白を断ったんだ。


 やっと繋がった。
 記憶の断片。