「その時になって、ようやく気付きました。私は男子学生に利用されたんだって。私には身体以外、何も取り柄がないんだって」
これは後から知ったが、この時のモニカは学年でも胸が大きく、発育が良い方で、水泳の時間や体育などの薄着になる時に、男子学生たちはモニカの身体を舐める様に見ていたらしい。
御國の頃の話を聞いたマキウスは、爪が食い込むまで両手を強く握りしめて、歯を食いしばっていた。
「やはり、許せませんね。モニカに……女性にそのようなことをするなど。その時に私がいたら、相手が後悔するまで苦しめたというのに……」
「もう昔のことです。それに、その男子学生も怒られたはずです。その日の内に、私の異変に気付いた親に事情を聞かれて、白状させられたので……」
嗚咽を殺して、泣きながら何度もタオルで胸を擦っていると、異変に気付いた母が部屋にやって来た。
事情を聞かれたがら、安易に男子学生について行って、強姦されそうになったのが恥ずかしくて黙っていた。
「さすが母親と言えばいいのか……娘の顔に殴られた痕があって、手足に擦り傷まで作って、自室にこもって泣きながら出血するまで胸を擦っていた様子から、異変を悟った母に説得されて、話さざるを得ませんでした」
その夜の内に、母親は学校に電話をすると、事の次第を話した。
次の日、男子学生は学校に登校するなり、すぐに担任に呼び出された。そうして、その日は授業が終わっても、教室に戻ってくることはなかったのだった。
「それから男子学生は口を聞かなくなりました。次の年にはクラスが別れたので、この日以降、一度も口を聞きませんでした。でも、問題はその後です」
「その後? それで、解決しなかったんですか?」
マキウスの問いかけに、モニカは小さく頷く。
「表向きは解決したことになりました。でも、男子学生がその話を広めたようで、しばらくは学年中で話題になりました。話はすぐに収まりましたが、そうしたら、今度は私が同じ学年の女子たちから虐めを受けるようになったんです」
「どうして、貴女が虐めを受けるんですか? 貴女は悪くありません。悪いのは、貴女を辱めようとした相手です」
「その男子学生、学年の女子たちの間で人気の高い男子だったんです。以前から、私と男子学生が親しくしているのが気に入らなかったみたいで……」
男子学生に優しくされていた頃から、なんとなく女子の中でも派手なグループから睨まれているような気はしていた。
ずっと気のせいだと思っていたが、強姦未遂の後から気の所為ではなくなった。
「この話がどこかで間違った形で広まったみたいで、それを信じたみたいです。この機会に私を懲らしめようと、様々な虐めをされました」
「間違った形で広まったんですか?」
「『私が男子学生を誘惑して、行為に及ぼうとした。けれども、それを誤解した私の母が、男子学生が娘を強姦したとして、男子学生を学校に言いつけた。だから男子学生は被害者で、悪いのは私だ』といった感じに広まったらしいです」
もしかしたら、間違った形で広まったのではなく、最初から男子学生が違う形で広めたのかもしれない。今のモニカには、もう確かめようが無いが……。
「理解出来ません。何故、そんな話が広まって、貴女が虐めを受けねばならないのですか。貴女は被害者だというのに……」
マキウスはまるで理解が出来ないというように、 頭を振っていた。
マキウスの気持ちもわからなくない。モニカも最初はそう思った。
これは後から知ったが、この時のモニカは学年でも胸が大きく、発育が良い方で、水泳の時間や体育などの薄着になる時に、男子学生たちはモニカの身体を舐める様に見ていたらしい。
御國の頃の話を聞いたマキウスは、爪が食い込むまで両手を強く握りしめて、歯を食いしばっていた。
「やはり、許せませんね。モニカに……女性にそのようなことをするなど。その時に私がいたら、相手が後悔するまで苦しめたというのに……」
「もう昔のことです。それに、その男子学生も怒られたはずです。その日の内に、私の異変に気付いた親に事情を聞かれて、白状させられたので……」
嗚咽を殺して、泣きながら何度もタオルで胸を擦っていると、異変に気付いた母が部屋にやって来た。
事情を聞かれたがら、安易に男子学生について行って、強姦されそうになったのが恥ずかしくて黙っていた。
「さすが母親と言えばいいのか……娘の顔に殴られた痕があって、手足に擦り傷まで作って、自室にこもって泣きながら出血するまで胸を擦っていた様子から、異変を悟った母に説得されて、話さざるを得ませんでした」
その夜の内に、母親は学校に電話をすると、事の次第を話した。
次の日、男子学生は学校に登校するなり、すぐに担任に呼び出された。そうして、その日は授業が終わっても、教室に戻ってくることはなかったのだった。
「それから男子学生は口を聞かなくなりました。次の年にはクラスが別れたので、この日以降、一度も口を聞きませんでした。でも、問題はその後です」
「その後? それで、解決しなかったんですか?」
マキウスの問いかけに、モニカは小さく頷く。
「表向きは解決したことになりました。でも、男子学生がその話を広めたようで、しばらくは学年中で話題になりました。話はすぐに収まりましたが、そうしたら、今度は私が同じ学年の女子たちから虐めを受けるようになったんです」
「どうして、貴女が虐めを受けるんですか? 貴女は悪くありません。悪いのは、貴女を辱めようとした相手です」
「その男子学生、学年の女子たちの間で人気の高い男子だったんです。以前から、私と男子学生が親しくしているのが気に入らなかったみたいで……」
男子学生に優しくされていた頃から、なんとなく女子の中でも派手なグループから睨まれているような気はしていた。
ずっと気のせいだと思っていたが、強姦未遂の後から気の所為ではなくなった。
「この話がどこかで間違った形で広まったみたいで、それを信じたみたいです。この機会に私を懲らしめようと、様々な虐めをされました」
「間違った形で広まったんですか?」
「『私が男子学生を誘惑して、行為に及ぼうとした。けれども、それを誤解した私の母が、男子学生が娘を強姦したとして、男子学生を学校に言いつけた。だから男子学生は被害者で、悪いのは私だ』といった感じに広まったらしいです」
もしかしたら、間違った形で広まったのではなく、最初から男子学生が違う形で広めたのかもしれない。今のモニカには、もう確かめようが無いが……。
「理解出来ません。何故、そんな話が広まって、貴女が虐めを受けねばならないのですか。貴女は被害者だというのに……」
マキウスはまるで理解が出来ないというように、 頭を振っていた。
マキウスの気持ちもわからなくない。モニカも最初はそう思った。