夜もふけって寝静まる頃。


 嶺亜はお風呂を済ませてもう寝ている。


 ぐっすり眠っている嶺亜は、可愛い寝顔で手をバンザイしている格好で寝ている。

 心地よい嶺亜の寝息が聞こえる中。


 部屋のドアがスーッと開いた。


 入って来たのはパジャマ姿の和也。


 足音を忍ばせえて、嶺亜の近づいてくる和也。


「わぁ、すげぇ可愛い。なんか赤ちゃんみたいだなぁ」


 そっとベッドに腰かけて、和也は嶺亜の寝顔を覗き込んだ。


「あのバカ素直じゃねぇからなぁ。本当は、あんたの事すげぇ好きになってるんだぜ。意地張っててさぁ。・・・俺がもっと生きてたら、きっと姉ちゃんの事好きになってたぜっ」


 和也は愛しそうな目をして嶺亜の寝顔を見つめている。


 
 スーッと和也は嶺亜に顔を近づけてゆく・・・。
 
 嶺亜の唇に和也の唇が重なる寸前・・・。


 グイッと、耳を引っ張られ、そのまま部屋の外に連れてる和也。



「ってぇなぁ! 」

 と、和也が振り向くと悠大が居た。


 悠大はどこか怒った目をして和也を見ている。


「なんだよ、何怒ってんの? 」


 和也にそう言われると悠大はハッとなった。


「別に、怒ってない。ただ、女性が寝ているところに黙って入る事は関心ならん」

「だってしょうがないじゃん。姉ちゃんすげぇ可愛いもん。寝顔なんて、まるで赤ちゃんみたいだぜ。あの寝顔見たら、思わずチューしたくなるって」

「そうゆう問題ではない。お前は、居候だろ? 」

「そうだけど? 」

「寝込みを襲う真似をして、何かあればどうするんだ? 」

「何かって? 」

「だから…」


 言葉に詰まって赤くなる悠大を見て、和也はクスッと笑った。


「ねぇ、あんたさぁ。姉ちゃんと、やってないんだろう? 」

「はぁ? 何を言うんだ! 」


 図星を指されて悠大はドキッとした。


「え? 図星だった? 」

「だ、だから…」


「そうだよなぁ。部屋も別々だし、寝るのも別々。あんた達、マジで夫婦なのか? 」

「そんな事は、お前に関係ないだろう? 」


「うん、今は関係ねぇよ。でもさぁ、このままアンタが姉ちゃんの事。ずっとほっとくなら、俺がもらっても文句ねぇだろう? 」

「はぁ? 」


 悠大は少し怒った目をして和也を見た。