緑あふれる豊かな国に、古風でモダンなお城が建っている。
とても大きなお城は、大聖堂が10個以上は建ちそうなくらいで、庭もまるで森林のように広く、動物達が生き生きと暮らしている。
お城の最上階の部屋。
広い空間にガラスのテーブルに、ふかふかのソファー。
本棚に大きなピアノも置いてある。
机と椅子があり、机の上にはモニターが映し出され周りの様子を映し出している。
鳥が飛ぶ姿にレーダーが反応して光ったり、お城の大きな門が開かれると信号音が鳴ったりしている。
このレーダーを管理しているのは、監視カメラだけではなくドローンという空飛ぶロボットのようなものも監視している。
広い窓からは心地よい日差しが入ってきて、外は綺麗な青空が広がっている。
心地よい日差しの当たる場所に…
あの素敵な青年が立っている。
爽やかな笑顔で、少しだけ年老いた顔をしているが、とても凛々しい青年。
「わぁーい! 」
元気な男の子の声がして、勢いよくドアが開いた。
「お父さん! 」
元気よく入って来た男の子は…なんと、悠大にそっくりな男の子。
まだ推定6歳~8歳くらいの男の子。
窓際にいた青年はゆっくりと振り向いて男の子を見た。
「お父さん! 」
勢いよく男の子は青年に飛びついて行く。
青年は男の子を受け止めてそっと抱き上げた。
「お父さん、元気なって良かったね。ねぇ、どこを旅していたの? 」
「ちょっとね、やり残して来た事を終わらせてきたんだよ」
「ん? そうなんだ。でも、お母さんずごく心配して、泣いていたよ」
「そうか、それはすまなかった」
二人が話していると。