翌日。

 悠大は休みを取っていた。

 嶺亜を連れて、実家の両親に会いに行く事にした。

 結婚式の時に会ったきり、ちゃんと紹介する事もなかったからだ。



 ゆうたの実家は駅からバズで15分ほどの場所にある分譲マンション。


 
 悠大が嶺亜を連れてくると、太郎も裕美も大喜びで出迎えてくれた。


「よく来てくれたね、嶺亜さん」

「どう? 2人の生活にはもうなれた? 」


「はい、まだ色々追いつかない事もありますが」


「そんな事いいのよ、悠大だっているんだもん。サキさんが居た頃は、随分甘やかされていたから。どんどん悠大にも、家事をやらせていいのよ」

「は、はい…」


「2人で来てくれるとは、とても安心したよ」


 嶺亜はそっと、悠大を見た。


「父さんにも母さんにも、随分と心配をかけてごめん。もう、大丈夫だから。これからは、ちゃんと嶺亜と一緒に歩いて行くって決めたよ」


 太郎も裕美もホッと、安心した表情を浮かべた。


「それは良かった。嶺亜さんも、色々大変だったようだな」

「ごめんなさいね、ご両親の事。全然知らなくて…」


「いえ、大丈夫です。もうすぐ、3年忌が来ますから。きっと、父と母も喜んでくれているので」


「お父様、腕利きの弁護士さんだったのね」


「はい、父に憧れて私も同じ道を選んだんです」


「今はどうしているんだい? 」


「悠大さんが、家にいて欲しいって言うので。先月で仕事は辞めました」


「そう。でも、それでいいと思うわ。悠大を支えてあげてね、嶺亜さん」

「はい」



 太郎と裕美にもすっかい気に入られ。

 悠大も一安心した。

 実家を後にして、悠大と嶺亜は、サキと一樹が眠る墓地にやって来た。