その頃。
悠大と嶺亜は昨夜は一緒のベッドに眠った。
悠大が嶺亜を部屋に招いて、一緒に寝て欲しいと頼んだようだ。
夜も遅かった事と、嶺亜が怪我が治ったばかりで疲れているのもあり何もしないまま、だた一緒に寝ただけだった。
先に目を覚ました悠大。
まだぐっすり寝ている嶺亜の寝顔を見て、とても幸せを感じた。
天使のように穏やかな嶺亜の寝顔。
赤ちゃんみたいに手をバンザイにしてい寝ている嶺亜を見ると、たまらなく胸がキュンと鳴った。
「可愛い…」
悠大はそっと嶺亜の髪に触れて見た。
サラサラしていて柔らかくて、癖毛なのかそれともウェーブをかけているのか判らないが、綺麗にカールがかかっている髪も魅力的で。
ずっと嶺亜を傍で見ていたいと悠大は思った。
7時を回った頃。
嶺亜が起きてきた。
先に起きていた悠大が朝食を作ってくれていた。
「ごめんなさい、寝坊してしまったようで」
身支度を整えて降りてきた嶺亜に、悠大はそっと微笑んだ。
「構わないよ。今日は休みだし、ゆっくり寝ててもいいよ」
「でも…」
嶺亜は食卓に並んでいる朝ご飯を見た。
目玉焼きにサラダと温かいお味噌汁と味付けのりが並んでいた。
「これ、作ってくれたんですか? 」
「あ、ああ。このくらいしか、作れないけど。味噌汁はインスタントだし、目玉焼きちょっと焦げてしまったけど、ごめんね」
嶺亜は目玉焼きを見た。
確かにはしっこが焦げているが、とても美味しそうに見える。
「大丈夫ですよ、このくらい。とっても美味しそう」
悠大が作ってくれた朝食を2人で食べて、楽しいひと時を過ごした。
ご飯が少しかために感じたが、気持ちが通い合って食べていることが何より嬉しかった。
「和也君。昨日は帰って来なかったんですね」
「そうみたいだな。泊ってくるとは、メールが来ていたが」
カタッ。
ちょっと大きめの物音がして、悠大と嶺亜は驚いた。
「何の音だ? 」
「和室の方から聞こえましたね」
悠大と嶺亜は様子を見に行った。