先に帰宅した和也は家の前で、誰かを待っていた。


 足音が近づいてきた。


 和也は顔を上げた。


 すると…

 現れたのは芹那だった。

 相変わらず派手な格好の芹那は、まるでホステスの様である。


「あら、かわいい坊やのお出迎え? 嬉しいわね」

「あんたがきっと来ると思って、待っていたぜ」

「まぁ、こん若い坊やに待っててもらえるなんて。期待していいのかしら? 」

 
 芹那はスーッと和也の顎に触れた。


「私の好みだわ。ねぇ、どう? 今夜は私と一緒に過ごさない? 」


 和也の首に腕を回し、怪しげな目つきで見つめる芹那。


「今夜一緒にって、どうゆう事だ? 」

「決まっているじゃない、男と女が一晩一緒にいてやることなんて…」


 ヌーッと、和也の耳元に口を近づけると芹那はニヤリと笑った。


「私と寝たいでしょう? 貴方も男だもの」

 と、囁いた。


「フーンいいよ。姉ちゃん、色々教えてくれるのか? 俺、全然わかんねぇし」

「そうね、教えてあげてもいいわ。でも、ただではダメ。一晩5万でどう? 」

「5万? それじゃ売春になるんじゃねぇの? 」

「そんな事、バレなきゃいいじゃない。5万で、最高の気持ちよさを感じられるなら。文句はないじゃない? 」

「まぁ…そうだけど…」

「話は早いわ。じゃあ、行きましょう」


 芹那は和也の腕を組んで、そのまま歩き出した。


 ピカッ…ピカッ…。

 和也のポケットで何かが光っていた。



 和也と芹那は駅前のホテル街にやって来た。


 一番高そうなホテルの最上階に部屋を取り、向かった和也と芹那。


 7階建ての最上階は眺めもいい。

 外からは見えないようになっているが、部屋の中からは外の景色が見えて車通りも見える。


「ふーん。ラブホって、結構オシャレなんだ。」

「あら、坊やは来た事ないの? 」

「うん、まぁね。そんな歳まで生きてなかったし」

「え? 」

 
 芹那は服を脱ぎながら和也を見つめた。


 和也は車の通る流れをじっと見つめている。