夕方になり。
嶺亜は目を覚ました。
いつのまにか寝てしまった事に気付き、ひたすら謝っている嶺亜を悠大が慰めた。
「気にすることないよ、疲れているのに無理に連れてきたんだから」
「本当に、すみません」
「いいって、それよりちょっと見てごらん」
そう言って、悠大は鏡を嶺亜に差し出した。
なんだろう? と思いながら、嶺亜は鏡を見た。
いつの間にかマスクがとれていて・・・
「え? 嘘? 」
酷かったほほの傷が、綺麗に治っているのを見て、嶺亜は息を呑んで驚いた。
「良かったな。きっと、神様からのプレゼントだ」
「はい…そうですね…」
嶺亜は素直に喜んだ。
「あの。よかったら、今夜は外で食事して帰らないか? 」
「え? いいんですか? 」
「勿論だよ、ずっとどこかに出かける事もできなかったからな」
「でも、和也君が待っています」
「大丈夫だよ、和也は今夜は彼女と会うって言ってたから」
「え? 和也君って彼女がいるんですか? 」
「そうみたいだね」
「それなら、喜んで行きます」
それから悠大と嶺亜は、駅前のシティーホテルにあるレストランへ向かった。
結婚のお祝いもしていなかった悠大と嶺亜は、お祝いを兼ねてシャンパンで乾杯した。
窓からは綺麗なイルミネーションが見えて夜景も綺麗。
「こんな素敵な場所、初めてきました」
「喜んでもらえて、嬉しいよ」
とても楽しそうに食事をしている悠大と嶺亜。
悠大と嶺亜が楽しいひと時を過ごしているとき。