秘密のドクターと気ままなお嬢様


 良二は、空が1人でいるのが心配だと言って空の家に泊まり込む事になった。

 もちろん、この事は海士も了承している。


 
 空の父海士の了承を得た事で、良二は自分の両親に空を紹介する事にした。



 良二の父は藤勝(ふじ すぐる)現在63歳になる。

 開業医として自宅で内科を開業している。

 母は蓉子(ようこ)現在60歳。

 看護師として勝をサポートしている。


 勝も蓉子も、良二から空の事を聞いてすぐにでも合わせて欲しいと言った。

 バタバタと忙しい中。

 良二は勝と蓉子に空を会わせるため時間を作った。



 良二が休みの平日。


 勝は午後が休診日でちょうど時間が作れた。

 駅からは少し遠くの場所にある良二の家。


 広い敷地で病院が経っていて、その奥側に自宅が経っている。

 自宅は昔ながらの広い家。

 庭も広く小さな池まである。

 お屋敷のような広い家に、家政婦もいて、運転手もいる。

 良二は正真正銘のお坊ちゃまである。


 車で良二が空を連れてくると、中から執事のような黒いスーツを着た50歳前後の男性が出迎えに来た。


「お待ちしておりました」

 厳しそうな顔つきの男は、良二と空をリビングに案内した。





 リビングには勝と蓉子が待っていた。

 顔合わせではあるが、2人ともラフな格好。



 執事に案内され、良二と空が来ると、勝も蓉子も嬉しそうに微笑んだ。


「いらっしゃい」

「待っていたよ」

 緊張した表情でやって来た空を、優しく迎えてくれた勝と蓉子。


「さっ、こちらへどうぞ」

 向かい側のソファーに案内され、良二と一緒に空は座った。