「あ、すみません。口を開けて下さい」

 言われて口を開ける空。


「扁桃腺が腫れていますね。熱はこれが原因だと思われますので、お薬を出しておきます。1週間様子を見て、もし、熱が下がらない様でしたらもう一度受診して下さい。念のため、心音を聞かせて下さい」


 空の心音を聞くため、良二は少しだけブラウスの隙間から胸の間に聴診器を当てた。

 と・・・

「え・・・」

 また驚いたような目をした良二。

 空はちょっとだけ目を凝らして見ていた。


「心音には問題なさそうです。大丈夫ですよ」



 診察が終わり、空は診察室から出て行った。

 空が出て行った後、良二は深呼吸をして胸に手を当てた。

「まさか・・・嘘だろう? ・・・」

 呟く良二。



 午前の診察患者は空が最後だった良二は、そのまま休憩室へ向かった。

 その途中、良二はトイレに寄った。



 個室に入った良二はそっと、自分の股間に触れた。

「…マジかよ…」

 触れた股間に膨らみを感じた良二は驚いた目をして、感動していた。


「あの人に…反応したんだ…。きっと…」

 

 そのまま休憩室に向かった良二。

 なんとなく嬉しそうな目をしていた良二。


 休憩室に入り、ペットボトルの水を飲み一息つくと良二の携帯が鳴った。

 画面の見るとメールが届いていた。


(あなたは本当につまらない男だったのね。セックスもまともにできない男なんて、信じられない。さようなら。あけみ)

 どうやらフラれたようた。


「またか…」

 良二はため息をついた。

 これで断られるのは何度目だろう…。