『好きって言ったことも忘れるよ俺』

『いいよ、また好きにさせてみせる!アピールしまくる!!何回も好きって言われて得じゃん!!!』


私は泣いたまま得意げに笑ってみせる。

きみが今までで一番やさしい顔で笑ってくれたんだ。それだけで満足だった。


『約束しよう?』

私は小指を差し出した。

『ずっとそばにいるって、何回も好きって伝えるって』

『ぜったい?』

『うん、ぜったい』

きみの小指とか私の小指が絡まる。


『指切りげんまんうそついたら針千本のーます!』





『咲雪』

『なに……ん』



一瞬だけ触れたきみのくちびる。

初めてのキスは涙の味がしたよ。



私はきみからたくさんのしあわせをもらったの。

だから今度は私がきみをしあわせにしたい。


私はきみに向かってやさしく微笑んだ。

きみは目を細めて私がだいすきな笑顔を見せてくれたんだ。


『だいすきだよ……!』

『うん、俺も』