泣き止んだきみと逆で、今度は私の目から涙が溢れてる。

私の頬を伝って、流れる。とめどなく溢れてる。



『ずっと前から好きだった……ぜんぶ覚えてるわけじゃないけど好きだった』

『もぉ……ばかぁ……っ』


きみが私の涙を拭って、さっきよりも強い力で私を抱きしめた。


『たくさん傷つけてごめん……』

『うん』

『毎日来てくれてうれしかった……』

『うん』


私は涙を流しながら、きみを抱きしめ返す。


『泣き虫』

きみは意地悪な笑みを浮かべている。

『自分だってさっきまで泣いてたくせにっ!!!』


きみといると泣いていたのにいつの間にか笑っていて。

悲しかったのにうれしくなっていて。


昔からそうだった。私たちは何も変わらない。

良い方には変わったのかな?

前よりも絆が深まった気がするのは私だけかな……?