未来の私へ

元気にしてますか?
自分への手紙なんて、なんか恥ずかしいかもしれません。

しかし、この手紙を読んでる時点で、君はあの約束も忘れてしまいましただろう。
自分は、このノートを絶対見ないと心に決めました。

今度は、何年ぐらい経ちましたか?
三年でしょうか?それとも五年でしょうか?

それとも、私もいつの間に死にまして、
誰か私の物を整理してる中にこのノートを見つけましたか?
なるほど。確かにその可能性もある。

君の脳には、また何か残っているでしょうか?
ヘミアという子を覚えていますか?
栞という子は、まだ君の傍にいますか?

あの子のこと忘れてないでしょうか?

誰から言われたことがあります。
人間の脳は、ただ1300グラム前後の物です。
多分世の中に一番速いコンピューターかもしれません。
ただし、万能ではない。容量も無限でもない。

私たちは、人生で見たことや体験したことをまるごと覚えられません。
そして、全部正しく覚えるのも、絶対ではありません。
ただ、誰でも頭の中に既存したものの真偽を一々判定できません。
もちろん、やろうとも考えてないでしょうね。

私たちは、自分の記憶をコントロールできません。
忘れたい記憶は、忘れられません。
忘れたくない記憶は、忘れます。

だから、私は、そう考えました。
今の私が今一番大事な記憶を教えてあげます。

昔の自分も何回も忘れたり思い出せたりしています。
いつか、私は、たとえヒントがあっても思い出せなくなります。
何年経っても、どのくらい成長しても、
本当は、何もできないじゃないか?と思ってしまいます。
あの子はまた独りになってしまい…

…話が遠くなっていました。
ごめんなさいね。
いつかこうなると予想したので、自分ができれば君にヒットを残して欲しいです。
忘れたことを、もう一度蘇る魔法を教えてあげます。

記憶を蘇る魔法だよ。
涙が止まる魔法だし、大切な人に会える魔法だ。

凄く簡単で、君しかできないんだ。

あの名前を呼んでね。

私は、彼のように精神的にいじるなんてできないので、こんなことしか用意できません。

でも、私は信じてます。
未来の私でも、この手紙を見るときっと泣いてしまいそう。

忘れたくないけど、忘れる日はきっと来ます。
忘れてしまってもいいです。
もう一度思い出したらいいです。

未来の私が、好きな仕事を見つけなくても、
お金持ちになれなくても、夢を見つけなくてもいいです。

そんなつまらない物語(人生)でも構わないです。

しかし、一つだけ。

あの名前も、
君の物語(人生)に出た様々な名前も。

彼達がこの世界に存在したことだけ
どうか覚えていてください。

過去の私より。