すずのお昼寝中という限られた時間の中で何とか近くの一時預りをしている託児所を探しだし、電話で予約を取ることができた。これで私は明日仕事に行くことができるはず。

ほっとしたのもつかの間、すずの着替えはもちろんのこと、お昼のお弁当やお茶、おやつにオムツ。一時預りといえど準備するものがたくさんありすぎて私の睡眠時間は削られた。
おまけにすずが夜泣きをしたのだ。
落ち着いて考えてみれば、いつもと違う場所でママもいなくて心細かったのだろう。だけどその時の私にそんな心の余裕はなかった。

何で私がこんな目に合わなくちゃいけないの？！

とにかくイライラして仕方なかった。


預け先の認可外こども園には、朝一番に預けに行く。そうしないと仕事に間に合わないからだ。

「すずちゃん、ママにバイバイよー」

保育士さんが手を広げてにこやかに話しかけてくれるも、すずは私にしがみついたまま「イヤー！」と悲鳴を上げる。

「すず、いい子だからここで遊んでて。夕方迎えに来るからね」

「イヤー！」

さっきからこの繰り返しでらちが明かない。
出勤時間は迫っている。
時計をチラ見してはイライラが増す。

大きなため息が出そうになったとき、保育士さんがいとも簡単に私からすずを引き剥がして、すずを抱っこした。