保育参観ではすずと一緒に手遊びをしたりシール貼りを見守ったりと、普段子供たちが保育園でどう過ごしているのかを見るいい機会だ。
私はすずがシールを器用に貼る姿を初めて見て感慨深い気持ちになった。こんなに手先が器用になっているなんて知らなかった。

保育参観は給食の前で終了した。
てっきり子供を連れて帰宅かと思っていたのに、どうやら午後まで保育をしてくれるらしい。
働くパパママは午後から仕事に行く人も多い様だ。

バイバイをすると、とたんに泣き出す子供達。
親は後ろ髪引かれつつも、保育士さんは笑いながら子供たちをガッチリホールド。

「パパママお仕事いってらっしゃーい。バイバーイ」

「うわーん、ママー!」

一人泣くとつられて泣く子も多い。すずもそのタイプみたいだ。めっちゃ泣き叫んでいる。

「また迎えに来るよ」

「やだー!」

このくだりを数回繰り返し、どうにも離れがたくなっている柴原さんの腕を強引に掴んで教室を出た。すずに甘い柴原さんは、こういう光景にまだ慣れないみたいだ。