少し歩くと、水が流れる音がした。
小さい川が流れていた。ここで服のような布を洗った。
地下であっても気温は低くなかった。
少し疲れたので乾かすのも兼ねて休むことにした。近くに手頃なキノコがあったので、椅子の代わりに座った。口にする勇気はなかった。
床が硬いから横にならずに座ったまま少し寝てしまった。
目を開けても場所はこのままだった。
そしてまたあてもなく歩いていた。
孤独に抱きしめられる事に不安を感じはじめた。
適所に光があったからつまづいたりすることは無かったが、まっすぐ進んでるつもりだがリングワンデルングに陥っていないか気になった。
長い時間歩いたから空腹を感じた。
このまま飢え死ねば良い冥土の土産になると思ったが、空腹には勝てなかった。
ここに生息しているだろう大きなキノコを生で齧った。
想像を絶する程美味であった。
そしてすぐ空腹は解消された。
何故か疲れも無くなった。
体力が湧き上がって、歩き始めた。
この頃にはもう、地上での生活は忘れていた。