何も決めずに歩くのは初めてであった。
あの気絶する前に聞こえた男のようで女のような声は何だったんだ?考えるだけ無駄であった。
ちょっと歩いたあと、向こうに動く光が見えた。
素早く近寄ると、それは虫であった。
蝿のようにも見えたが、綺麗な蝶にも見えた。
光に導かれて上を見やると、岩の天井に沢山同じような光の層があった。
これは虫の群れであった。
手頃な石を掴んで上に投げると、光は消えてしまった。
それは昔見た花火のようであった。
光が消える前に1匹ほど捕まえておけばよかったと思った。