栞は窓の外を眺めながら待つ

文化祭の片付けをみんながしている、大きなゴミ袋を抱えていた女の子に淳基が走って近寄る

「ん?」

あーゴミを持っていってあげるんだ

自分も段ボール持ってるのにね、優しいねー

段ボール落とすよ、持ちすぎだよ(笑)

でも二人だよ坂本くん、あれ、これも、ヤキモチかなー

モヤっとする



夕日を見ながら栞は考えていた



教室には誰もいなくなった

遅いなー

教室のドアが開く

「ハアハア、ごめん遅くなって」

栞は椅子から立って後ろを向いた


夕日をあびた栞の黒髪は風になびきさらっと流れる

「お疲れ様」

栞はニコッと微笑む

「……綺麗」

淳基は思わず口に出していた

「えっ?何?」

淳基は照れて下を向いた

「いや、帰ろうか」

「うん、忙しかった?」

「疲れた、足はスースーするし、女子はスカートでいつも寒いんだね」

「下は何もはいてなかったの?」

「うん、トランクスだけ、それに朝に手も、足も毛を剃られた」

「坂本くんはトランクス派なんだね(笑)」

「あっ、言っちゃった」

「下に女子はスパッツか体操服の下の短パンをはいてるよ、ほら」

栞は少しスカートをめくる

「いい、こんなとこで見せなくて」

「ここじゃなかったらいいの?」

「からかわないでもうー」

淳基は真っ赤になって栞の手をスカートから外す

「誰も教えてくれなかった……寒かったのに」

「風邪をひかないでよね(笑)」