「俊、今日はみんなよく食べてるし飲み物がなくなってきたから足りなくなりそう、買って来ようか?」

「飲み物は重いし危ないから男に行かす」

琴菜は最後のペットボトルを冷蔵庫から出してきた

「おーい、誰か買い出しを頼む」

「じゃあ、行くよ」

「俺も」

「ん、じゃあ頼む」

「いってらっしゃーい」



「本当にみんな言うこと聞いてくれるんだね」

「こいつらといると楽(笑)」


栞の耳に寝息が聞こえてきた

「坂本くんが寝てるよ」

「いつものことだよ、腹一杯になったら寝る」

「集中力が切れた証拠だよ、気にしないでほっといていいよ」

「試合中に指示出すのはこいつだからな、俺は前しか見てないから、ディフェンダーでコートとみんなの動き見てんの、だから疲れると思うよ」

「……そういえば、あたし、公式戦は初めて見たんだけど、練習試合よりよく声が出てたかな」

「頭も疲れるんだよ、琴菜、毛布持ってきて」

「はーい」



なんなのこのチーム、めっちゃみんないい奴~

「可愛い寝顔だよね」

「あたしもいつも思う」

「えっ、琴菜、俺は?」

「俊は起こすと布団にもぐるからね、気持ちよく寝てるのあまり見たことがないな」

「琴菜ちゃんが起こすの?」

「夜勤の時だけね、俊は朝が弱いの……お父さんも単身赴任でいないし、電話をしてたんだけど、二度寝をするんだよ」