ぎゅーぎゅーとサガ――路さんが私を抱きつくもんだから、胸に顔が埋もれてちょっと苦しい。
同じ大きな胸でも私のはホルスタインとか言われたけど、サガさんのは男性が喜びそうだ。
……あ、いや、滝島さんはそそるとかいってくれたけど。

「……丹沢姐サン、そろそろいいですかね」

こほんと小さく滝島さんが咳払いし、ようやく路さんは私を離してくれた。

「そうだった、茉理乃ちゃんが中の人を続けられるように、作戦会議だったわねー」

「はい。
よろしくお願いします」

書いてきたレポートを滝島さんの前に置く。
受け取った彼は無言でそれを読みはじめた。

「会社の方針なら仕方ないけど、なんの指標もないのに成果が上がらなかったら廃止、とか言われても困っちゃうわよねー」

ごくりとコーヒーを一口飲んで、路さんはカップをテーブルに戻した。

「路さんのところはどうなんですか」