三阪屋さんがついうっかり失言してサガさんが拗ねたあげく、貢ぎ物をして機嫌を取っているのもいつものこと。
でもちゃんとそのあとサガさんはしっかり宣伝をしているので、これはギブアンドテイクとして成り立っているのだ。

「カイザージムちゃん、ひさしぶりー。
ん?
ちょっと痩せた?」

ぷにぷにとサガさんが私の頬を指でつついてくる。

「確かに少し会わない間に引き締まった気がする」

私の前に座った滝島さんが、同意するかのように頷いた。

「わかりますか!?
スカートのホックが気合い入れなくても留まるようになったんですよ!」

「もう、カイザージムちゃん、可愛い!」

私をぎゅーっと抱き締めたサガさんからはいい匂いがする。

「あ、あの、サガ……路、さん。
私も茉理乃って呼んでもらえたら」

「茉理乃ちゃん、可愛い!
食べたいちゃいくらい!」