「一時期心を入れ替えてやっているかと思えば、もうこれか」
嫌みを聞き流して席に荷物を置き、パソコンのスイッチを入れてコーヒーを淹れに行く。
もちろん、淹れるコーヒーはミツミのコーヒーだ。
席に戻ってきたらまた、大石課長から睨まれた。
「上司の分も淹れてきてやろうとかいう心遣いはないのか」
――ありませーん。
なーんて言えたらいいんだけど。
さすがにそれは、無理。
「すみません。
でも飲み物は各自で淹れるようになっていますので……」
「ふん!」
さすがに決まりを口に出され、それ以上はなにも言えないようで彼は私に背を向けた。
ここひと月くらい、三十分ほど早い出勤で、大石課長が来たときには仕事をして――いるフリをしていたから免れていたけど。
またこれがはじまるのかと思うとうんざりする。
英人と別れてから彼と会うのが嫌で、出勤時間を早めにずらしていた。
嫌みを聞き流して席に荷物を置き、パソコンのスイッチを入れてコーヒーを淹れに行く。
もちろん、淹れるコーヒーはミツミのコーヒーだ。
席に戻ってきたらまた、大石課長から睨まれた。
「上司の分も淹れてきてやろうとかいう心遣いはないのか」
――ありませーん。
なーんて言えたらいいんだけど。
さすがにそれは、無理。
「すみません。
でも飲み物は各自で淹れるようになっていますので……」
「ふん!」
さすがに決まりを口に出され、それ以上はなにも言えないようで彼は私に背を向けた。
ここひと月くらい、三十分ほど早い出勤で、大石課長が来たときには仕事をして――いるフリをしていたから免れていたけど。
またこれがはじまるのかと思うとうんざりする。
英人と別れてから彼と会うのが嫌で、出勤時間を早めにずらしていた。