「いやいや、無理!
無理ですよ!」

当然ながらお断りしたのだ。
なのに。

「もう伊深(いぶか)しか頼める相手がいないんだ。
お前がやらないのから下畑(しもはた)サンがやることになるんだが……」

それはそれでかなりヤバい。
もうすぐ定年の下畑さんはいまどき、一本指の雨だれ入力で、Twitterが使えるかどうかすら怪しい。

「ううっ……」

「それにお前、ツイ廃だろ?」

ニヤリ、と右頬をつり上げて実に意地悪そうに戸辺さんが笑う。

「ど、どうしてそれを……」

「うさっこたん」

その名前を出された瞬間、ピキッと一気に身体が凍った。

「ナ、ナ、ナンデ、ソレ、ヲ……」

身体はカチンコチンで、ようやく出した言葉はカタコトだ。

「さー、なんでだろーなー」