「無理にとは言わない。
でもあの日、お前は彼から、お前とやっても興奮しないと言われたと、泣いていたから」

「……!」

酔い潰れた私は、滝島さんにそんなことまで話していたんだ。
誰にも聞かせたくない、私の恥を。

「あの日のお前は俺にとって、魅力的だったよ。
覚えてないだろうけど。
そっちも自信がほしいっていうなら、俺がつけてやる。
……どうする?」

じっと私の頬に触れたまま、滝島さんが私を見下ろしている。
レンズの奥の瞳にからかいなどは一切なかった。
震える手で彼のシャツを掴む。
顔は見られなくて、その胸に額をつけた。

「……して」

かろうじて、自分の耳に声が届く。
どきん、どきん、と響く大きな鼓動は私のもの?
それとも……。

「……いいんだな」

無言で、こくりと頷く。
次の瞬間、滝島さんから強く抱き締められた。