食後にまた、滝島さんはコーヒーを淹れてくれた。

「筋トレは続けろよ。
レポートも無理しない範囲で」

「はい、了解です」

先輩のいうことは真面目に聞く。
私のために言ってくれているんだし。

「それで、だ。
……夜のレッスンはどうする?」

レンズの向こうから妙に真面目な顔で滝島さんが私を見つめてくる。

「夜のレッスン、……ですか?」

でも、意味がわからなく手首が横に傾いた。

「夜のレッスンっていったら、決まってるだろうが」

私の頬に触れる滝島さんを、ぽけっと見てみた。
傾きながら彼の顔が近づいてくる。
眼鏡をかけたままキスはできるんだろうか、なんて妙に冷静なあたまで考えていた。

「……この先」

唇が離れ、開いたままだった目で彼を見上げる。