「簡単だろ、これくらい」

「……ハイ、ソウデスネ」

滝島さんは涼しい顔をしているが、彼にとってこれくらい朝飯前なんだろうか。
恐ろしい。

借りた本を滝島さんがくれた紙袋に詰める。
このもらった本屋の紙袋、最初から二枚重ねになっているんだけど……もしかして、常日頃からこれくらい本を買っているの!?
恐るべし、滝島さん。

「んー、じゃあそろそろ腹もいいだろうし、次は筋トレな」

さっきからずっと気になっていたけど、滝島さんは……かなりの筋肉質だった。
うん、マッチョ基準からいくところの細マッチョまではないが、一般人基準でいうところの細マッチョよりは筋肉が付いている。

「鍛えているんですか?」

「んー?
ジムとか行く暇も金もないから、自宅トレーニングだけだけど」

きっと、あのTシャツを脱げば確実に腹筋はシックスパックに割れているだろう。