合格がもらえてほっとはしたものの。

「それってちょっと、厳しくないですか!?」

「あたまの硬い上層部を納得させなきゃいけないんだ。
これくらい普通だろ?
むしろ、甘いくらいだ!」

容赦なく滝島さんがデコピンを食らわしてくる。

「……いったー」

それはそうだけど。
滝島さんのデコピンは涙が出るくらい痛いから、やめてほしい……。

滝島さんが言う修正点を赤ボールペンで書き込んでいく。

「これができたら次は……」

本棚の前に立った滝島さんは、ぽいぽいテーブルの上に本を積んでいく。

「これと、これと、これと……こんだけ読んでさらに分析、それによってどういう効果が生まれるのかレポート」

「ううっ……」

ちょっと待って、本だけで十冊くらいない?
それを全部読めと?