「お買い上げ、ありがとうございます!」

ハイテンションに滝島さんが私の両手を握ってくる。
現金だなー、とは思う。
でもどこか憎めないのはなんでだろ?

普通に買おうと思ったのに、社販で買ってきてやるからちょっと待ってろって言われた。
いいのかな、それ?

お茶が済んだあとは書いてきたレポートを提出する。

「よろしくお願いします」

「ん」

滝島さんがレポートを読むのを、緊張して見ていた。
お客様相談室に言うほどでもない、ちょっとした意見や疑問を受け付けたい。
製品マニュアルには載っていない、便利な使い方やなんかを紹介したい。
ホームページに載っている堅苦しい会社概要じゃなく、私という人間を通して、もっと身近にカイザージムという会社を知ってほしい。
そんなことをまとめてきた。

「八十点。
ギリギリ合格」