【あの資料で完璧な報告書を作れない方がおかしい。
大丈夫だろ】

【あと、遅くなるときは気をつけろよ】

【じゃあ、おやすみ】

その自信はどこから?
とか思うけど、滝島さんから大丈夫なんて言われると、本当にそうな気がしてきた。
それに気をつけろなんて気遣ってくれているのが嬉しい。

「ありがとうございます、おやすみなさい、と」

スタンプを貼って画面を閉じる。
明日の大石課長の反応がちょっとだけ楽しみだ。



「伊深ぁ」

大石課長の不機嫌な声で背中がビクンと揺れる。
でもできるだけ平静な顔でその前に立った。

「一応、一昨日のあれは仕事だと認めてやる」

椅子にふんぞり返り、机の上にばさっと報告書を投げ捨てられたのはカチンときたが、耐えた。