「ま、とりあえず乾杯しようや」

「え、えっと……」

「素晴らしき再会に。
乾杯」

「……乾杯」

少しだけグラスを掲げたミツミさんにあわせて、私も渋々グラスを少しだけ持ち上げる。
ごくごく一気に飲み干す彼をぼーっと見ていた。

「飲まないの?」

「の、飲みます!」

私がグラスに口を付けている間に、彼は店員を呼び止めて新しいビールを頼んだ。

「おいしい……!」

どうせビールなんて、と思って飲んだアップルエールは、口の中で林檎の香りと甘酸っぱさが広がって飲みやすい。

「そりゃよかった」

届いたビールを一口のみ、ミツミさんがメニューを開く。