ミツミさんが口を開いた。

「うっ」

手を拭いたおしぼりを、彼がテーブルの上に投げ捨てる。

「連絡できねーからクソ寒い中、あんなとこで待つ羽目になったし」

「うっ」

いや、これは私が責められることなのか?
ミツミさんが私を待っていたのは彼の勝手だ。

「で、でも、DM……」

「馬鹿か、お前は。
週末、ヤリ逃げされた件でお話ししたいんですが、とか会社のアカウント使ってDMしていいのか?」

「ううっ」

それは、マズい。
定期的に上司がDMもチェックしているのに。

「だって……」

「お待たせしましたー」

口を開きかけたら、店員が頼んだビールを運んできた。