きっと、そんな相手がいなかったから。
使わずに済めばこしたことはない、それに無責任なこともしたくない。

「シャワー、ありがとうございました」

浴室から出てきた彼女がおずおずと俺の隣に座る。

「後悔、しないな」

また彼女がこくんとひとつ、無言で頷いた。

押し倒せば簡単にころんと転がった。
ひたすら、なにもかも考えられないくらいまで彼女を喘がせる。
抱き締めれば俺の腕の中にすっぽりと収まってしまう身体は可愛くて堪らない。

「興奮してくれていますか」

彼女は何度も、不安そうに俺に訊ねた。
こんなにも彼女を傷つけた彼氏が憎い。
殴りつけてやりたいくらいに。

「興奮してるからこんなになってるんだろ」

欲望のままに彼女を抱き潰した。
彼女もそう望んでいる気がして。

「……好きだ」