中の人、これで間違いなく彼女に確定だ。
しかしあの日と違い、くすんで見えるのが気になる。

「彼氏に他の女ができたみたいで。
デブ、お前みたいなデブ、誰が好きになるかっ、って……」

「酷いな、それは」

確かに彼女は少しふっくらとはしていたが、決して太ってはいない。

……俺の感覚からすれば、だが。

だいたい、最近の女性は不健康に痩せすぎなのだ。
それをもてはやす奴らも俺は嫌いだけど。

「あなたもそんなこと言って、デブだって思っているんですよね」

ぐいっと一気に彼女がグラスのお酒を呷る。

「おい、そんな無理はしない方が……」

「きゅぅー」

くたくたと彼女が俺の腕の中に倒れ込んでくる。
完全に酔い潰れていた。

「困ったなー」

店を出たものの、彼女の家がわからない。