「仕方ない、よね」

らしくなく酔っていたのは、気が緩んだから。
それはいい。

「重い。
動けない」

眼鏡くらい外してあげたいが、両手は彼の身体の下。
彼と私の体格差、しかも相手はかなりの筋肉質とくればほとんど動けない。

「早く寝返りくらい打ってー」

蒼馬がようやく私の上からどいたのは、それから約一時間後のことだった。



その日のTwitterのトレンドには、祝結婚の文字が躍っていた。

「こんなに祝福してもらってありがとうございます、だよ」

【結婚しました。幸せになります】の文字と共に、ふたりの左手薬指に嵌まる指環が写された画像がTLに並んでいる。

――今日。
私は滝島茉理乃になった。