彼がラストスパートをかけた。

「うっ、茉理乃……!」

ふたり同時に達し、彼が私の中を満たしていく。

……ああ、これで全部、蒼馬のものになれた。

心まで満たされ、目尻からはぽろりと涙が落ちた。

「次は、優しくするから」

蒼馬の指が私の涙を拭う。
次、とは? とか考えていたら、彼の顔が近づいてきた。
目を閉じ……。

「……ぐぅ」

「は?」

のしかかる重みに目を開ける。
蒼馬はキスの途中で力尽きて眠っていた。

「そりゃ、酔ってたうえに最後は一気飲みして、そのあとの激しい運動だからこうなるだろうけど」

「……んー」

蒼馬の顔の向きが変わり、こっちを向く。
安心しきった顔。
きっと彼も、私と同じくらい悩んでいた。