「いますぐ、抱きたい」

「えっ、はっ?
家まで!
家まで待ってください!」

走っているタクシーを探す。
けれどようやく見つけたと思ったら送迎中。

「待てない」

私の腕を掴み、滝島さんは歩きだす。
そのまま連れていかれたのは――ホテル街、だった。

「ちょ、ちょっと待ってください!」

「待てないって言っただろ。
……ここでいいか」

いいともなんとも言っていないのに、滝島さんは勝手に入っていく。
慣れた手つきで手続きし、エレベーターに乗った。

「茉理乃……」

熱に浮かされた少し掠れた声で呼ばれ、それだけで身体の奥がキュンと疼く。

「んっ、……あっ……」