届いたビールを口に運びながら、眼鏡の下で眉を寄せ訊いてくる。

「それほど。
始末書は嫌みのごとく何度も書き直しさせられましたけど」

「ま、しゃーないわな。
それだけのことしたんだし」

「ですね」

悪戯が成功した子供のようにふたりで笑いあう。
うん、それくらい気分がいい。

「滝島さんこそ、大丈夫だったんですか。
……その、会社」

「満見社長は仙道社長以上に、ああいうことを面白がる人だから問題ねーな。
上司も似たようなもんだし。
帰ったら勝手に式場候補は挙げられてるわ、茉理乃のブライダル痩身エステプランまで作られはじめてたぞ。
いいモニターだーって」

「うっ」

いいのか、ミツミ。
そんな緩い会社で。

「んで、式はいつにするよ?」