今度はペコペコと何度もあたまを下げた。
結果オーライだったからといって、考え無しの自分が憎い。

「本日は誠に、申し訳ありませんでした。
また寛大なご処置、ありがとうございます」

「うん、早く式の日取りを決めてね」

ふたり揃ってあたまを下げて社長室をあとにする。

「そういえば、滝島さんはお仕事いいんですか?」

仕事でもないのによその会社に来て、そこの社長にからかわれていていいはずがない。

「ん?
熱が出たから早退します、って午後休で帰った」

うおっ、私には真似できない。
そしてそれを許す会社も凄い……。

「茉理乃こそ仕事、いいのかよ」

「あ……」

部署のある階に戻ってきたら、ジト目で大石課長から睨まれた。

「えっと。
サ、サボった分もしなきゃだから、遅くなると……思う」