仙道社長は机の上に両肘を付いて指を組み、若干乗り出し気味に私たちを見ている。

満見(みつみ)社長とも話したんだけどさ、記念に共同でなにかやるのもいいねって」

「あの……」

なんですでに、そんなところまで話が進んでいるんだろう?
そもそもここは、会社のアカウントを使って超個人的なことをやり、しかも他社を巻き込むとかーってお叱りを受けるところじゃ?
滝島さんも同意見らしく、困惑しているし。

「なにしようか。
君たちからも意見はない?
恋愛にちなんだものがいいよね、もちろん」

ひとりで仙道社長は話し続けているが、いいんだろうか。

「その。
……お叱り、は」

おずおずと滝島さんが口にする。
途端にそれまで饒舌に喋っていた仙道社長が止まった。

「なんで?」

信じられないものでも見るかのように、大きく一回、彼がまばたきした。