なんだかいちゃついていたのを見られたのが恥ずかしくて、逃げるように社長室へ急いだ。

ドアの前で一度深呼吸。
頷きあったあと、ノックした。

「どうぞ」

「失礼します」

社長室へ入るのは初めてで、こんなときだからこそさらに緊張する。

「今日はお騒がせして申し訳ございませんでした!
全責任は私にありますので、彼女への罰は寛大にお願いいたします!」

仙道社長の前に立つなり、滝島さんが勢いよくあたまを下げた。
慌てて私も一緒にあたまを下げる。

「それで、式はいつにする?」

「……は?」

ふたり同時に口から間抜けな音が出たけど、仕方ない。
想定外、どころじゃないことを言われたんだから。

「公開告白したんだから、次は公開結婚だろ?」

「えっと……」