いまからやることは、間違っているってわかっている。
私を信じてくれた、仙道社長を、大石課長を裏切る行為だって。
それにきっと、バレたらよくてアカウント永久停止、悪いと……クビかもしれない。
わかっているけれど、一度動きだした指は止まらない。

【年が明けてすぐ、私はある男性と一夜の過ちを犯しました。
褒められたことじゃないのはわかっています。
その彼とはもう二度と、会うことはないと思っていました】

【でも、あるところで再会してしまったんです。
中の人の集まりで。
ミツミの中の人として】

あのときは最悪だと思っていた。
それがいま、こんなに恋い焦がれる相手になるだなんて誰が思う?

そのまま、続けてキーを打っていく。
滝島さんが私にしてくれたたくさんのこと。
知らず知らず少しずつ、彼に惹かれていったこと。
滝島さんは私にこんなにたくさん与えてくれたのに、私はなにひとつ返せていない。
好きになってくれなくたっていい、せめてもらったものをお返ししたい。

「あ……」

ポツポツとリプが付きはじめる。

【公開告白?】