お祝いをしてくれるという金曜日、待ち合わせ場所に向かった私の足は、鉛の下駄でも履いているんじゃないかってくらい重かった。
「茉理乃ちゃん、こっち!」
私を見つけた路さんが手を振る。
「お疲れさまです」
「お疲れー」
路さんと一緒に店に入っていく。
会場になったのはオシャレなイタリアンバルの個室だった。
すでに小泉さんも橋川さんも来ている。
「滝島さんは……?」
「あいつ、残業だから来られないなんて言うのよ?
ほぼ滝島が茉理乃ちゃんの面倒みてたのに」
「え……」
それほどまでに私と顔をあわせたくないということなんだろうか。