勢いよく大石課長へあたまを下げる。
こんなに彼に感謝したのは、入社してここに配属されてから初めてかもしれない。

「あっ、いや、あれはオレも、伊深がよく頑張った、いいプレゼンだったと思ったし、最近の伊深は頑張っていると思うし……その、なあ」

なぜか少し赤い顔で大石課長はごにょごにょ言っている。
もしかして彼も、少しくらい私の仕事を認めてくれている?

「と、とにかく!
仙道社長もオレも期待しているからな!」

突然、逆ギレ気味にそれだけ言って大石課長は出ていった。

「……そっか。
期待、してくれているんだ」

ずっと、仕事に理解のない、嫌な上司だとばかり思っていた。
けれど、見るところはちゃんと見ていてくれている。
そんなことも知れるなんて、このプレゼンはやってよかった。



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