あちらは存続させる気がないから、全部否定すればいいだけで楽でいい。

「ならば。
……私と」

――心中する覚悟のある方はいないんですか。

「待ちなさい」

それまで黙っていた仙道社長の一言に、ピタッと音がすべて止まる。

「私は彼女と、心中する覚悟がある」

誰かがごくりと、つばを飲んだ音が妙に大きく響いた。

「しっかりとした、いかに彼女が、会社のことを一生懸命考えているかわかる、いいプレゼンだった。
それをなんだ?
君たちは馬鹿にして笑うだけで」

静かな仙道社長の声が、すーっと刃物になって頬を撫でる。
誰ひとり、カタリとも音を立てない。

「確かにこの問題は個人に賭けるしかないだろう。
私は、彼女に賭けていい。
そう思わせるプレゼンだった」

「……仙道、社長」