「の、喉は渇いてない?」

努めて平静なフリをしながらも、距離を取ってしまうのは仕方ないといえるだろう。

「喉、乾いた」

「はい」

買ってきたイオンウォーターを開けて渡す。
身体を支えてやって、飲み終わったらまたベッドに寝かせた。

「私はもう帰るけど、アイスとプリン買ってあるから、食べられそうなら食べて。
あと、冷蔵庫に出汁に入れて温めれば食べられるようにうどんとおじやの準備してあるから……」

「帰っちゃうの?」

ぐずっ、と鼻を鳴らした英人がみるみる泣き顔になっていく。

「茉理乃、帰っちゃうの?」

「か、帰る、……よ」

うっ、今日の英人はなぜか、妙に可愛い。

「そっか。
……ありがとな、茉理乃」