はぁーっとため息をつきつつ、洗濯機を回す。
その間に私が寝込んだときに滝島さんがしてくれたみたいに、簡単に食べられるようにうどんやおじやのセットを作っていく。

「ん……」

洗濯物を干し終わったら、英人が目を開けた。

「具合、どう?
ってこんなに簡単によくならないか。
喉、乾いてない?」

意識がはっきりしないのか、英人はぼーっとしている。

「……お母さん」

「は?」

「お母さん!」

「えっ、ちょっと!」

いきなり抱きついてきた彼が、いったいなにを言っているのか理解できない。
熱で混乱しているだけだとは思うけど。

「は、離して!」

すりすりと顔を擦りつける英人を引き離す。