振替休日の月曜、滝島さんの家から帰って携帯を確認したら、英人からLINEが入っていた。

【死にそう、助けて】

【茉理乃しか頼る相手がいないんだ】

【お願いだ、助けてくれ】

調子がいいと思う。
そもそも、私と別れたのは新しい女ができたからじゃないんだろうか。
なら、その人を呼べばいい。

「誰が行くもんか」

そう言いつつも土曜の、英人の姿があたまから離れない。
あんな弱った姿、いままで見たことがなかった。
それに彼は病院嫌いだから、行けと言ったのに行っていないのかも。

「ああっ、もう!」

本当は昨日の予行練習で問題のわかった箇所を詰めたい。
けれどこれで本当に死なれたら寝覚めが悪いし。
仕方なく私はマスクの重装備で英人の家へ向かった。

英人のマンションには上がったことがないが、場所は知っている。
たまにタクシーで帰るとき、必ず英人の家が先だったから。